一ノ 瀬裕（いちの せひろし）

一ノ瀬裕（いちのせひろし）昭和19 年〜（1944 〜）現代美術作家。東京都生まれ。少年期に武蔵野の小柳秀太郎のアトリエに通い油彩画を始める。成蹊大学卒業後、画家を志向。1976 〜 1979 年パリ国立美術学校に学び、ピエール・マティ（Pierre Matthey）に師事。この間サロン・ドートンヌを主に、抽象絵画『paysage abstrait』を出品。他にナショナル・デ・ボザール、アンデパンダン等。帰国後1987 年、東京を離れ、山口市郊外、秋穂の岬にアトリエを造る。これを機に海の変容にモチーフを求め『stream & drift』を1991 年国際インパクトアート, 村松画廊で発表。その後「INNER」シリーズ『浸食スルモノ/浸食サレルモノ』を展開。多種の調合された溶剤（mixed oil）と、顔料及び支持体との、無機的浸蝕による表層の痕跡、（その有機的形態）が孕む内奥を作品化。抑えられた中間色の在りようは繊細で儚い。2000 年〜2008 年はギャラリー山口で個展。2014年はコバヤシ画廊で個展。